暗闇に雷鳴が轟き、稲光が走る。右に、そして、左に隕石が大気中を赤く燃えながら走り、激しく地面や海水面と衝突する。遠くでは火山が絶え間なく溶岩を噴き上げ、海岸の近くでは火山から流れ出たマグマが海水と接触するたびに水蒸気爆発を起こす。海底ではマグマが絶えず熱水を吹き上げる。空を見上げると二酸化炭素の含有率が極めて高い数10気圧もの大気が一面を覆っていた。また、硫化水素や硫黄、バリウムなど、多くの無機化合物を含む酸性の海だったと考えられている海水の温度は百数十度にも達していた。

46億年ほど以前に地球が生まれ、時の経過と共にその温度を徐々に低下させていたとはいえ、今から40億年ほど前の地球は、このような激しい物理現象を見せつけていたと考えられている。このような40億年ほども前の原始地球上では、現在の地球上に棲むほとんど全ての生物は、短時間でさえ到底生きることができなかった。しかし、少し奇妙な感じに思われるかもしれないが、今の地球上に棲む生物が生きることのできないような厳しい原始地球の状況の中でこそ、実は生物の誕生に向けたドラマが始まったのである。

「GADV仮説?生命起源を問い直す(序論抜粋:一部修正)」(池原健二著:京都大学学術出版会2006年より)

 このような状況の下で始まったと思われる生命誕生への過程と生命が進化してきた道筋を皆様方と共に学び考える有意義な、そして、楽しい「生命の起原および進化友の会」にしようではありませんか。                       

               生命の起原および進化学会運営委員 池原健二