原田馨先生を悼んで
本学会の会長を永く務められ、「生命の起原」と「化学進化」の研究を通して、本学会の発展に多大なる貢献を頂きました原田馨先生が、11月20日にお亡くなりになられました。
原田先生は、大阪大学を出られた後、アメリカに渡られ、フロリダ州立大学とマイアミ大学で、Fox先生と有名な「プロテノイドミクロスシフェア」の研究や、アポロの採取した月の石のアミノ酸分析などの「化学進化」の先駆的な研究をなされて来ました。また、不斉の問題に対しても、多くの時間を注ぎ込んでおられ、「生命の起原」の立場からだけでなく、合成有機化学の面からも多くのご研究をなされております。アメリカから帰国され、筑波大学の教授に就任されてからは、「宇宙化学研究室」を主宰され、前生物学的アミノ酸合成・ペプチド合成、不斉合成などのテーマを中心に、多くの学生の指導にあたって来られました。また、本学会の運営委員長や会長を務めるなど日本における「生命の起原」と「化学進化」研究を牽引されてきた方のお一人になります。
個人的には、原田先生に卒業論文のご指導を受けました。原田先生の研究室には1年間しか居りませんでしたが、そこで大きな薫陶を受けました。その後、いろいろな立場で様々な研究を行ってきましたが、再び、「生命の起原」とか「化学進化」という研究分野に足を踏み入れ、現在に至っています。まだ原田先生のなされてきた仕事を追いかけるばかりで、教えを請わなければならないことが残されているところでの訃報で大変残念に思っております。
今後も、皆様とともに、先生の遺志を継いで、生命の起原に迫る研究を続けていきたいと考えています。「生命の起原および進化学会」の会員を代表し、ここに、原田馨先生の これまでのご功績を讃え、ご冥福を心からお祈りする次第です。
三田 肇
(「生命の起原および進化学会」会長、運営委員会委員長)
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