ORGANIC ANALYSES IN MICROMETEOROIDS CAPTURED BY “TANPOPO” MISSION

MITA, Hajime
Department of Life, Environment, and Materials Science Faculty of Engineering
Fukuoka Institute of Technology
3-30-1, Wajiro-Higashi, Higashi-Ku, Fukuoka 311-0295, Japan
mita@fit.ac.jp
(Received February 6, 2009; Accepted February 10, 2009)

(Abstract)

Analyses of organic compounds in the extraterrestrial materials, e. g. carbonaceous chondrites, micrometeorites, and cometary dust, are important for the study of origins of life on the Earth, since the terrestrial living organisms are formed by highly organized organic compounds and, organic compounds and their source materials should be transported into the Earth from the outside of the Earth. To avoid the contaminants from the terrestrial organisms is the most important for organic analyses of the extraterrestrial materials. Therefore, intact micrometeoroids captured on the exposure facility of the “Kibo” module at the International Space Station by “TANPOPO” mission are suitable for the astrobiological studies concerning with origins of life. In this review, organic analyses of extraterrestrial materials are summarized and tasks for the analyses of organic compounds in the sub-mm sized micrometeoroids, especially captured particles in the “TANPOPO” mission, are described.

(Keywords)

TANPOPO, Organic compound analyses, meteorite, micrometeoride

“たんぽぽ捕獲粒子”の有機物分析に向けて

三田肇
福岡工業大学工学部生命環境科学科
〒811-0295 福岡県福岡市東区和白東3-30-1
mita@fit.ac.jp

1. 宇宙環境中の有機物と化学進化

     有機物とは,炭素骨格をもつ化合物の総称であり,もともとは生物活動によってのみ合成される化合物と考えられ,自然界で生物活動に依らず合成される無機化合物と区別されてきた.しかし,1828年にWohler [1]によって,尿素が人間の力で合成されたことから,非生物的にも合成することが可能であることが明らかとなり,有機化学という学問分野が開花した.一方で,Oparin [2]やHaldane [3]による化学進化の仮説に依れば,地球上の生命の誕生の前に簡単な有機物が誕生し,複雑で機能をもった有機物へと進化していくことになり,人工的な有機化学反応とは別な意味での非生物的な有機物合成が自然界で進行しなければならない.1953年にMiller [4]によって,原始地球環境を模擬した環境でアミノ酸などの有機物が生成されることが実験的に示され,化学進化の実験的検証に関する多くの研究が開始された.現在までに,多くの研究者らにより,様々な原始地球環境や宇宙環境の模擬実験において非生物的に多様な有機物が合成されることが実証されている.ところで,地球上における生命誕生以降,地球上の炭素循環には深く生命活動が関わっているために,地球環境中から検出されている石油・石炭・天然ガスに代表される様々な有機物はいづれも現在あるいは過去に生きていた生物が合成したものであり,明らかに非生物的に合成された見なされる有機物は見出されていない.その代わり,自然環境中において非生物的な有機物合成が実際に起こっていることは,宇宙起原物質である炭素質隕石中に有機物が同定されたことや,電波天文学の成果として宇宙空間中に有機物が検出されたことなどによって明らかにされている.
     星間分子雲から,シアン化水素,メタノール,ホルムアルデヒド,ギ酸,メチルアミンなどのごく簡単な有機物,ベンゼンのような環状有機物や,C7Hラジカル, C8Hラジカルのような直線状に炭素が繋がった地球上では存在しない有機物まで約150種の有機物が検出されている [5].これらの有機物が,ガスや塵として原始太陽系星雲に運ばれたと考えられる.さらに,原始太陽系星雲中において高温で凝集した鉱物などを触媒として合成された有機物や,凝集・集積が進み誕生した原始惑星上における水熱反応で生成した有機物と混じり合い,その後の進化を止めて保存され,地球にもたらされたと考えられているのが始原的な炭素質隕石である.炭素質隕石中には,アミノ酸・カルボン酸・炭化水素など多様な有機物が検出されている.また,小惑星よりも低温環境で形成したと考えられている彗星にも,彗星から放出された塵を集めたStardust計画での分析などから,有機物が含まれていることが明らかにされている.
     原始地球が形成された時には,原始太陽系を形成した星間分子雲由来の有機物,原始太陽系星雲中で合成された有機物,原始地球が生成する過程で集積した原始惑星に含まれる有機物が存在し,その後,原始地球形成後に隕石や彗星として供給された有機物,さらに原始地球上の火山活動や放電現象などによって生成した有機物が共存し,それらが組み合わさり生命の誕生に結びついていったものと考えられる

2.炭素質隕石中の有機物

2.1. アミノ酸
     アミノ酸は,生体中において最も豊富に含まれていて生命活動に不可欠な機能性高分子化合物であるタンパク質を構成する分子であり,分析が容易なこともあり,多くの研究がなされている有機物である.1969年にオーストラリアに落下したマーチソン隕石中から隕石固有のアミノ酸が発見され [6],宇宙物質中に含まれる生命の起源に結びつく有機物分析の最も重要なターゲット化合物となっている.例えば,アポロ計画において月の表面から回収された岩石試料中の有機物 分析で,アミノ酸の存在が議論の的となった.Haradaら [7]とNagyら [8]は月試料よりアミノ酸を検出し,Ponnamperumaら [9]は検出されないと報告した.後年,BrintonとBadaによる最新の分析装置を用いた再分析の結果 [10],月試料中にアミノ酸が検出されたと報告している.さらに,分子雲中におけるアミノ酸の探索の試みや,彗星より放出された粒子中におけるアミノ酸分析などが行われている.但し,ここで注意をしなければいけない点は,後述するが,炭素質隕石や月試料などに必ずしもアミノ酸そのものが含まれているのではなく,酸加水分解をすることによりアミノ酸が検出されるアミノ酸前駆体が含まれているということである.
     マーチソン隕石中のアミノ酸分析は多くの研究者らによって繰り返され [11-19],さらにMurray隕石 [20],Orugeil隕石 [21],Allende隕石 [13, 22]などについても隕石固有のアミノ酸が検出されている.さらに,多くの南極隕石が発見され,Yamato-74662 [23],Allan HIlls-77306 [24-26],Yamato-791198 [27]などの炭素質隕石についてアミノ酸分析がなされている.炭素質隕石より検出された主なアミノ酸の構造をFig. 1に,代表的な炭素質隕石中のアミノ酸含有量をTable 1にまとめた.これらの研究から炭素質隕石中に固有であるアミノ酸には次のような特徴があることが明らかにされた.
1) タンパク質構成アミノ酸と,タンパク質構成アミノ酸以外のアミノ酸が含まれている.特に,非タンパク質アミノ酸であるα-アミノイソ酪酸とラセミ体のイソバリンの存在が比較的豊富に存在し,これらのアミノ酸の検出が隕石固有有機物が存在することのマーカーとされている [28].但し,地球堆積岩環境からもα-アミノイソ酪酸とラセミ体のイソバリンの検出が報告されており [29],これら2つのアミノ酸の存在だけでなく,タンパク質アミノ酸との含有量比も考慮する必要がある. 
2) 光学異性体をもつアミノ酸は,D-体とL-体がほぼ等量検出される(Fig. 2).但し,α-位のプロトンがアルキル基に置換されたアミノ酸では,片方の光学異性体が数%から十数%程度過剰に存在することが報告されている(Table 2) [30, 31].  3) 構造異性体が存在するアミノ酸は,そのほとんどの異性体が検出されている.また,α-アミノ酸以外に,β-,γ-アミノ酸なども含まれている. 
4) アミノ酸含有量は,隕石試料からの抽出液そのままに含まれているものより,酸加水分解することにより数倍から十数倍多くなる.このことは,隕石中にはアミノ酸そのものとして含まれているものよりも,前駆物質として含まれているものが多いことを示している.アミノ酸の前駆物質となり得る低分子有機物として,ヒダントイン,ラクタム,カルボキシルラクタム,ラクチム,N-アシルアミノ酸などが炭素質隕石中から検出されている [32].地球上の堆積岩試料ではタンパク質やペプチドとして存在するアミノ酸が加水分解により検出されるが,炭素質隕石中にはジペプチドであるグリシルグリシンとジケトピペラジンが検出されているのみであり [33],高分子量のアミノ酸前駆物質の化学構造などはまだ明らかにされていない.
5) 類似の構造を有する異性体では,分子サイズが小さいほど含有量が多く,分子サイ     最も多くの研究がなされているMurchison隕石からは合計74種のアミノ酸が検出されており,アミノ酸含有量の最大量はYamato-791198の約670 nmol/gである [27].一方で,炭素質隕石の全てからアミノ酸が検出されるわけでなく,アミノ酸が検出されないものもある.例えば,Yamato-793321は,炭素含量が1.6%と高いにもかかわらず,アミノ酸が検出されなかった [34].さらに,Tagish Lake隕石でも,炭素含量が3.6%と高く,より始原的と考えられているにも関わらずアミノ酸は検出されていない [35].これらのアミノ酸の検出の有無は,隕石母天体上での水熱作用の差によると考えられている.

2.2. カルボン酸
 生体中で,炭素数が十数個以上のカルボン酸は,脂肪酸として細胞を外界と区別する役割をもつ成分として重要な機能を有している.また,石油成分の主要な原料物質として有機地球化学研究の重要なターゲットとなっている.一方,炭素数が数個までのカルボン酸は,生体中に含有量は少ないものも代謝中間体として重要な役割を担っている.炭素質隕石中にはモノカルボン酸に加えて,ジカルボン酸,ヒドロキシ酸の報告があるが,アミノ酸の研究に比べると少ない.
     モノカルボン酸は,Murchison隕石とMurray隕石より酢酸(C2)からオクタン酸(C8)までの直鎖構造および分岐鎖構造の様々な異性体が検出されている [36].これらのカルボン酸の含有量は,アミノ酸より一桁多い.南極隕石からは,アミノ酸が検出されたYamato-791198 [37],Yamato-74662 [38]から,酢酸(C2)からドデカン酸(C12)までの脂肪族カルボン酸に加えて,芳香族カルボン酸である安息香酸やメチル安息香酸が検出されている.また,酸性物質として,フェノールも検出が報告されている.ジカルボン酸については,LawlessらによってMurchison隕石からシュウ酸(C2)からメチルグルタル酸(C7)までの9種の検出が報告されている [39].また,Murchison隕石とYamato-791198から,シュウ酸(C2)からアゼライン酸(C9)までの26種の検出も報告されている [40].ヒドロキシ酸については,グリコール酸からα-ヒドロキシイソペンタン酸までの7種が検出されている [41].
     炭素質隕石より検出された主なカルボン酸の構造をFig. 3に,代表的な炭素質隕石中のカルボン酸含有量を同時に分析される酸性化合物の含有量と共にTable 3にまとめた.炭素質隕石で見出されたカルボン酸の化学構造の特徴は,アミノ酸と類似しており,ほとんど全ての構造異性体が検出され,類似の構造を有する異性体では,分子サイズが小さいほど含有量が多く,分子サイズが大きくなると少なくなることが上げられる.さらに,光学異性体を有するジカルボン酸とヒドロキシ酸は,ほぼラセミ体であった.
     ジカルボン酸の生成機構については,放電でグラファイトと水から生成したジカルボン酸の分析結果の比較 [42]から,分子サイズの小さいものから大きなものが逐次的に生成した一次生成物であることを示唆している.また,二重結合を有するマレイン酸とフマル酸の含有量の比較より,熱的影響が少ないことを示している.一方,Murchison隕石の不溶性有機物(IOM)の含水熱分解により,炭素含量の2%程度が酢酸として検出されたとの報告があり [43],カルボン酸もアミノ酸同様何らかの前駆物質が存在し,そこから生成してきた可能性もある.





Fig. 1. Characteristic structures of amino acids detected in the carbonaceous chondrites.

Table 1 Concentrations of amino acids detected in various carbonaceous chondrites.






Fig. 2. Enantiomeric structures of amino acids. D-form is a mirror image of L-form, when a mirror is placed at the line at center of the figure.









Fig. 3. Characteristic structures of carboxylic acids and other acidic compounds detected in the carbonaceous chondrites.







2.3. 核酸塩基と糖
 生体中では,タンパク質に比較すると含有量は少ないものの遺伝物質として重要な役割を果たしているDNA,RNAの原料となる核酸塩基と糖は生命の起源を考える上で非常に重要な有機物であるが,タンパク質の原料となるアミノ酸に比べ検出報告が少ない.
     核酸塩基とその類縁化合物として,Murchison隕石 [44-48]やYamato隕石 [49]からTable 4に示した有機物が検出されている.これらの核酸様物質の中には,隕石固有ではなく抽出操作中で合成されたものや分析に用いた試薬中の不純物ではないかと疑問を呈されているものもある.また,いづれの報告でも,含有量はアミノ酸に比べて1桁から2桁少ない.
     核酸を構成したり,生体中に豊富に含まれる糖類は検出されておらず,ポリオール類が検出されているのみである [50].







2.4. 炭化水素
     地球環境で,脂肪族炭化水素は,脂肪酸が脱炭酸し,さらに熱分解により生成したと考えられており,石油の主成分として,有機地球化学では重要な研究対象となっており,非常に多くの研究がなされている.しかし,地球の石油などを起源とする汚染との区別が難しいため,炭素質隕石中の脂肪族炭化水素分析の研究報告は多くない.Murchison隕石中で,直鎖n-アルカンとイソプレンの存在を指摘する報告 [51]がなされているが,これらの炭化水素は地球上での汚染であり,飽和脂環式炭化水素のアルキル誘導体が隕石に固有な脂肪族炭化水素成分であるとの報告 [52]もなされている.南極隕石からもn-アルカン類が検出されているが,隕石に固有な有機物であるか否か,その起源は明らかとなっていない [38].
     一方,地球環境中にも様々な芳香族炭化水素が検出されているが,炭素質隕石からも多様な芳香族炭化水素が検出されている.Murchison隕石では,二環式のナフタレンから四環式のピレンまでの20種が報告されており [53, 54],南極隕石からは二環式のナフタレンから四環式のピレンまでのアルキル置換体を含め約50種が見出されている(Fig. 4) [38, 55].これらの中には,アルキル置換体では様々な位置異性体が検出されている.例えば,ジメチルナフタレンの10種の位置異性体のうち,1,8-体と2,3-体以外の全てが見出されている.また,熱的に安定なフェナントレンがアントラセンに比べ多く存在し,ジカルボン酸が示す結果とは異なり,熱的影響を受けていることを示唆している.また,水素同位体と炭素同位体の解析から,六員環のみからなる芳香族炭化水素と五員環を有する芳香族炭化水素では,生成機構が異なり,逐次的に生成していることを示唆する結果が報告されている [56].







Fig. 4. Characteristic structures of polycyclic aromatic hydrocarbons detected in the carbonaceous chondrites

2.5. 不溶性有機物 
     炭素質隕石に含まれる有機物の70 - 90%は,有機溶媒,酸やアルカリに不溶な物質である.これらは,隕石中の鉱物などの無機物をHCl/HFで溶解,除去し,残った有機物を回収したものであり,堆積岩中のケロジェンに相当するものである.高分子量物質であり,特定の規則的な構造をもたない,複雑な構造をしている.このため,熱分解や化学分解により生成した成分を分析することにより,その構造解析が行われている.Murchison隕石の熱分解 [51, 57],クロム酸による酸化分解 [58],酸化銅による酸化分解 [59],Orgueil隕石の熱分解 [60]が行われたところ,主成分は芳香族炭化水素であり,鎖状炭化水素やヘテロ環化合物が見出されている.南極隕石についても多くの熱分解研究が行われている [61-64].中でもKomiyaらによって,熱分解温度ごとに分解放出物が解析され,Yamato-791198隕石より120種以上の有機物が同定されている [64].これらの大部分はベンゼンとナフタレンのアルキル置換体であり,四環のピレンまでのアルキル置換体に加え,チオフェンなどの含硫芳香族炭化水素とそのアルキル置換体,少量のヘテロ環化合物である.放出温度を調べると,350 – 500 oCの範囲であまり変化はなかった.これは地球堆積岩中のケロジェンとは比べると広い温度範囲に相当し,ケロジェン以上に多様な化学結合から構成されていることを示唆している.

3.彗星塵中の有機物
     彗星核は,低温環境下に置かれているため水熱変成作用をあまり受けておらずより始原的な天体であり,氷中に多くの有機物を蓄えていて,地球上に生命の源となった有機物の有力な運搬体であったと期待されている.このため,様々な有機物の探査がいくつかの彗星について行われている.例えば,質量分析計を搭載したGiotto探査機によってハレー彗星から噴出するガスの分析が行われ,一酸化炭素,二酸化炭素,メタン,アンモニアなどを検出し,彗星が”CHON”からなる有機物に富んだ存在であることが明らかとなった [65].これまでの地上での模擬実験と照らし合せると,アミノ酸が豊富に含まれていることが予想され,彗星が生命の源になる有機物の供給源であるとの期待が高まっている.NASAの探査機「Stardust」は,Wild2彗星が放出した塵の採取に成功し,地球上に彗星のかけらを持ち帰った.この彗星の塵中の有機物分析の結果は [66-70],日本語で藪田よってにまとめられている [71].この結果,炭素質隕石中の有機物に比べ芳香族性が少なく含窒素および含酸素官能基が豊富に含まれていることと,炭素質隕石よりも不均一な組成であることが指摘されている.彗星塵に含まれる有機物が辿ってきた水熱変成過程を推測するための知見など,彗星や惑星系の起源を考えるための新たな知見は得られたが,生命の起源との関連を考えるための情報はあまり得られていない.特に,炭素質隕石に比べ豊富にアミノ酸が含まれていると期待されていたが,有意なアミノ酸は検出されず,メチルアミンとエチルアミンが検出されたのみであった [66, 67].これは,技術上の問題か,彗星には期待されているほどのアミノ酸が存在しないのかいづれであるかは,まだ解決されていない.

4.宇宙塵中の有機物

     1 mm以下の微少な塵が,年間に2,000 – 100,000 t/yほど地球に降り注いでいる.地球に落下した隕石では2.5%程度が始原的なCI, CM, CRタイプの炭素質隕石であると推定されているが,岩石学的,化学的,同位体的な分析より南極氷中より回収された宇宙塵のほとんどが始原的なCI, CMタイプに属するとされている [72].このため,宇宙塵が原始地球への有機物の有力な運搬体であると考えられている.しかし,宇宙塵は微少であり,地球上に落下後の汚染による有機物との区別が困難なため,宇宙塵中の有機物に関する研究は多くない.これまでに明らかになっている有機物分析では,赤外線レーザーで脱離したイオンの質量分析によって多環式芳香族炭化水素が検出されているが [73],地球外アミノ酸の指標とされているα-アミノイソ酪酸は検出されていない [74, 75].さらに,ラマン分光分析,赤外分光分析,X線吸収端スペクトルで,CMタイプ炭素質隕石との類似性が報告されている [76].

5.彗星塵・宇宙塵試料の有機物分析の現状

     炭素質隕石の分析の場合,隕石表面と隕石内部で有機物分析の結果が異なる [22].隕石表面からは,L-体のタンパク質構成アミノ酸が豊富に検出されるなど,地球上に落下した後に付着した地球生物による汚染物が含まれていると考えられている.そこで通常,炭素質隕石中の有機物分析には,隕石表面の汚染を除去した内部試料が用いられる.しかし,mmサイズ以下の彗星塵,宇宙塵試料中に含まれる有機物の分析では,表面の汚染を除去し分析することができない.このため,地球上で受けた汚染を除去し隕石固有の有機物を分析することは難しい.さらに,抽出性有機物の分析には数十 mg以上の試料が必要であり,粒子1個だけでは分析できないので,いくつかの粒子をまとめて分析する必要がある.これらの課題があるため,宇宙塵試料のような微量粒子中に含まれる有機物分析はほとんど進んでいない.この中でもっとも研究が進んでいる研究は,前述したStardust探査で採取されたWild2彗星から放出された彗星塵粒子の研究である.この中では,アミノ酸分析,赤外レーザー脱離イオン化質量分析法(L2MS),二次イオン-飛行時間型質量分析(TOF-SIMS),nano-SIMS,X線吸収端-走査型X線顕微鏡(STXM/XANES),顕微ラマン分光,顕微赤外分光が使われている [66-70].アミノ酸分析は,従来から炭素質隕石の分析に広く使われている抽出分析であるが,これ以外はいづれも微量領域の分析に適した新しい手法であり,主として不溶性有機物をターゲットとしている.L2MSとTOF-SIMSでは,多環式芳香族炭化水素を検出している.STXM/XANESと顕微赤外分光では,官能基分析が行われ,含窒素基・含酸素官能基の存在が指摘され,炭素質隕石より芳香族炭化水素の割合が少ないと指摘している.nano-SIMでは同位体分析が,顕微ラマン分光では変性度の解析が行われた.しかし,これらの分析から,生命の起源に与える彗星塵の影響を議論することは困難である.
     一方,期待されていたアミノ酸分析では,メチルアミンとエチルアミンだけが検出されただけである [66, 67].Murchison隕石などの多くの炭素質隕石にもっとも豊富に含まれているグリシンの濃度は約100 nmol/gであり,直径約30 μmの宇宙塵に同じ濃度のグリシンが含まれているとすると,約3 fmolが含まれていることになる.現在,もっとも高感度のアミノ酸分析は,Galvinらによる蛍光検出と質量分析を組み合わせた高速液体クロマトグラフィー法(FD-LC-MS)であり [77],サブfmolレベルの分析が達成されている.この検出感度からみると,グリシンは十分に検出可能であり,その約5分の1の濃度で存在が予想されるアラニンやイソバリンも検出できる可能性がある.しかしながら,有意なグリシンは検出されなかった.このことは,彗星が期待されていたようなアミノ酸の供給源ではなかったのか,それとも,彗星粒子の捕獲時の衝撃による分解や抽出・ハンドリング時などの損失など技術的な問題に起因するのかは明らかにされていない.いずれにしろ,アミノ酸含有量と光学異性体比を求め,生命の起源への寄与に関する情報を得るには至っていない.

6.たんぽぽ捕獲粒子への期待と課題

     地球に多量に供給されている宇宙塵は,炭素質隕石に比べ始原的なものが多く,大気圏突入時や地上落下時の衝撃が少なく,地上に多くの有機物を供給したと考えれれている [72].このような有機物が,地球の生命の起源に重要な寄与を及ぼしたと考えられるが,その詳細を明らかにするためには,地球上に落下し地球生物の有機物汚染を受ける前に宇宙塵を採取し分析することが望ましい.
     地球における生物の起源に関する解決されていない重要な課題に,光学異性体の選択的利用がある.地球上の全ての生物は共通して,光学異性体のうち同じ片方の構造のみを利用している.例えば,アミノ酸なら全ての生物のタンパク質はL-アミノ酸で合成されている.なぜアミノ酸ならL-体を利用しD-体でなかったのか.地球上で最初の生命が誕生した時に地球環境にL-アミノ酸がD-体に比べて多く存在したためであると考えられる.それでは,光学異性体の偏りが地球上で生じたのか,宇宙から地球に供給される有機物に光学異性体の偏りが存在していたのか.このことは,生命の起源を考える上で重要な課題の一つである.炭素質隕石中のα-アルキル置換アミノ酸に光学異性体の偏りが見出されているが,タンパク質を構成するアミノ酸の場合はラセミ体であるとされている [30, 31].隕石中で,タンパク質を構成するアラニンなどにL-体が多いという報告 [78, 79]もなされているが,この場合は落下後の地球生物による汚染によると考えられている.地球落下後の汚染の可能性を除去し,炭素質隕石中にタンパク質構成アミノ酸にもL-体過剰が存在するのかどうかということを明らかにするためには,地球生物による汚染のない試料中のアミノ酸の光学異性体の偏りを調べることが必要となる.
     地球上の生物汚染を受けていない新鮮な試料として,原始太陽系星雲の情報をとどめている小惑星や彗星に探査機を飛ばし,採取し地球に持ち帰るサンプルリターンがまず考えられる.このような試みとして,小惑星探査機「はやぶさ」 [80]や彗星探査Stardust [81]などがある.さらに,はやぶさ2 [82],Marco Polo [83]と呼ばれる新たな小惑星探査も計画されている.しかし,小惑星や彗星探査の機会は多くはない.そこで,国際宇宙ステーション軌道で,地球に落下する直前の宇宙塵試料を捕獲時の衝撃による変成を受けないように採取する「たんぽぽ計画」 [84]は,生命の起源を考える有機物分析を行う上での格好な試料を提供することになる.
     「たんぽぽ計画」で捕獲される粒子は,数十μmサイズ程度の宇宙塵が,年間50個程度,捕獲されることは予定されている.これらの中に含まれている有機物分析には,サイズが小さいことから,炭素質隕石と同様の抽出性有機物の分析は難しく,Stardust計画と同様の微小分析を行う必要がある.しかし,Stardust計画で得られた有機物に関する情報では,地球上における生命の起源への関わりという点からみると大きな進展はない.このため,さらに生命の起源に密接に関わる情報を得るための新たなる分析法を展開することが必要になる.
     まず,有機物分析の立場から生命を特徴付ける点として,前述のように光学異性体の偏りがある.Stardustレベルでの抽出法によるアミノ酸分析では,たんぽぽ捕獲粒子中に豊富に含まれるアミノ酸組成を明らかにすることは可能である.しかし,アラニンなどのタンパク質構成アミノ酸や炭素質隕石で見出されているα-アルキル置換アミノ酸の光学異性体比を求めるためには,さらに高感度な分析が必要になる.最近では,高感度なLC-MS法で,amolレベルの分析が可能になりつつある [85].amolレベルでのアミノ酸分析が可能になれば,数十μmクラスの宇宙塵1個の中に含まれるアミノ酸の光学異性体比を測定できることになる.実際には,装置的な分析感度以外にも,宇宙塵試料からのアミノ酸抽出法や,極微量有機物を含む抽出液のハンドリング法,抽出液の濃縮法など解決しなければならない課題も残されている.
     一方,直接的な分析法による光学異性体比測定以外に,間接的な方法もある.Soaiらは,自己触媒系を用いた光学異性体の選択的合成法 [86]を見出しているが,この方法では何らかの不斉源が存在すれば,その僅かな不斉を増幅し検出することができる.この方法を用いることにより,アミノ酸に限らず宇宙塵試料に何らかの不斉を誘起する物質が含まれているかどうかを調べることが可能になるかもしれない [87].
     アミノ酸以外に,生命の起源に関わる有機物として興味が求められている分子には,核酸塩基,糖,ペプチドが考えられる.しかし,炭素質隕石の分析に含まれているこれらの含量と得られた知見から考えると,さらに微量な宇宙塵の分析から得られる情報はあまり期待できない.
     炭素質隕石などの有機物分析では分子組成や分子の化学的特徴を明らかにすることが一般的であるが,酵素のような触媒活性をもつ有機物が含まれているどうかを調べることも重要な課題であると考える.前述したように,炭素質隕石に含まれる有機物の大部分は酸やアルカリ,有機溶媒に溶けない不溶性物質として存在している.その分子構造を特定することは困難であり,官能基の存在などの化学的特徴や分解放出物を明らかにすることができるのみである.これらの情報だけでは,生命の起源への寄与を十分に読み解くことができない.そこで,生命の起源に結びつくような触媒活性を示すような分子まで化学進化が進行しているかどうかを検討する.炭素質隕石を用いて,触媒活性を調べた研究はないが,海底熱水噴出孔や南極土壌などの地球上の極限環境試料について,フォスファターゼ活性などが調べる研究がなされている [88].この方法では,不溶性有機物の化学構造を個別の同定することなく,不溶性有機物をバルクで取り扱うことができる.このような分析の場合,どのような触媒活性を調べるべきか,活性値の評価方法を今後検討していかなければならない.
     従来のL2MSとTOF-SIMSによる不溶性有機物の化学構造の解析では,多環式芳香族の断片を見ているだけであった.しかし,様々なモデル化合物を合成し,モデル化合物から生じる二次イオンとの比較により,地球上の植物中に含まれているリグニンの構造解析をTOF-SIMSで解析した例が報告されている [89-91].これらに倣えば,宇宙塵中の不溶性有機物の構造解析もこれまでより多くの情報を得ることが可能になると期待される.リグニンに比べると宇宙塵中の不溶性有機物では均一性が小さいと予想されるので,化学構造をきっちりと同定することは難しいかもしれない.しかし,様々な宇宙環境を模して多様な原料物質とエネルギー源を利用して調製した模擬宇宙環境試料と宇宙塵や彗星塵のTOF-SIMS分析で得られるマススペクトルを比較することで,宇宙塵や彗星塵中の有機物が生成した環境を推定することは可能であろう.
     一方で,「たんぽぽ計画」で捕獲される粒子の場合,地球生物圏から微生物が岩石やエアロジェルと共に火山爆発や小天体衝突により地球上より宇宙空間に向けて吹き上げられる可能性があり,それらの捕獲も目指している.分析を進める前に,捕獲粒子が宇宙起源の有機物を含むのか,地球微生物を含んでいるのかを識別しする必要がある.そこで,非破壊で両者を区別するために,有機物の局所分析技術である顕微赤外分光法や顕微ラマン分光法などを用いることが計画されている.これらの分析法は,Stardustの有機物分析にも用いられているが,官能基の種類やグラファイト様炭素の結晶化度などを求める方法であり,炭素質隕石や宇宙塵中の有機物 [92-94]と微生物体や微生物を加熱処理したサンプルとの相違点を明らかにすることを目指している.

7.まとめ

     宇宙における生命探査などを考える場合,アミノ酸の検出が良く取り上げられるが,アミノ酸が検出されることは,生命の起源の必要条件かもしれないが十分条件ではない.しかし,生命の起源に対する必要十分条件が何であるかは,まだ明らかでない.このため,貴重な微量な試料を分析する場合に,どんな有機物の検出を行うことが,真に生命の起源に結び付く知見に結びつくのかの判断は難しい.たんぽぽ捕獲粒子について,Stardustと同様の有機物分析を行うことにより宇宙塵の起源・辿ってきた環境条件の変遷を明らかにすることは十分に可能である.また,分析方法の最適化により光学異性体の偏りの有無,触媒活性の有無を明らかにし,地球上の生命の起源を考える情報を得ることができるであろう.さらに,地球上に毎日少しずつ降り積もる宇宙塵に含まれる有機物が,炭素質隕石中に含まれる有機物と同質なのか,それともより始原的な物質が存在しているのかを明らかにすることも可能であろう.もし炭素質隕石と同質であれば,十分な量が確保でき,より詳細な化学分析が可能な炭素質隕石中の有機物を,今まで以上に詳細な分析を進めることが生命の起源の謎を解き明かすことに繋がるであろう.一方,宇宙塵がより始原的な有機物をより豊富に含むのであれば,さらに多くの宇宙塵を地球汚染のない状態で採取し,詳細な化学分析を進める必要が明確となる.今後進められる小惑星探査でC型小惑星やD型小惑星と炭素質隕石や宇宙塵との対応を明らかにするためにも,地球生物の汚染を受けない条件で,捕獲時の衝撃で変成しないように宇宙塵を採取することが望まれる.これらのことから,たんぽぽ計画で捕獲される宇宙塵は,アストロバイオロジー研究にとって重要な研究試料となり,有用な知見が与えることが期待できる.

謝辞:本稿をまとめるにあたり,たんぽぽ(地球と宇宙空間の微生物と有機物の双方向伝播)WG(JAXA/ISAS)と地球周回軌道におけるアストロバイオロジー実験研究班WG(JAXA/ISAS)における討論を通して頂いた多くのご意見を参考にしましたことを記し,両WGの皆様とJAXA/ISASに感謝いたします.

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