Session 3 : SETI and Civilization of Other Planets

大島 泰郎(共和化工・環境微生物学研究所)

   このシンポジウムは当初、米国のChristopher Roseと日本のSETI先駆者を招待講演者に据えて総括的な討論をするよう企画したが、最終的にRoseの都合がつかず、JAXA宇宙科学研究所 平林 久教授と杏林大学 横尾 広光教授を招き、SETIのパートを構成し、これに大林組 石川 洋二氏ら、筑波大 橋元 博文氏らのオリジナルな研究成果発表2題からなるプログラムを組んだ。しかし、当日、横尾氏は重い感冒にかかりシンポジウムへの参加が不能になったため、前半は平林教授によりSETIに関する総合的な解説が行われた。
   中心となった平林教授の講演は「SETI:Radio、Optical and Beyond」と題し、天文学の成立からの歴史的な経緯を述べることから始まり、望遠鏡の発達、そして電波天文学の成立が1959年の歴史的なMorrisonらの論文とそれに続くDrakeらのプロジェクトOzmaを導き、そこから本格的なSETIが始まったという歴史的な流れ、そして今日までの主なプロジェクトやSETIに関する考え方を解説した。この中では、Big Bangに由来する背景輻射が発見される5年も前に本格的なSETIプロジェクトが行われたという指摘が興味深かった。これまでの探査は電波天文学とリンクして発展してきたこと、今後は望遠鏡のArrayに期待が寄せられていることを述べた。将来の展望としては特に、最近の新しい潮流としてOptical SETI、すなわちLaserを利用した探索と交信を試みるプロジェクトについて解説した。これに関しては、成沢氏らがSETI Projects with the Largest Telescope in Japanと題するポスター発表を行った。この演題もプログラムに予定していたが発表者の日程の都合がつかず、ポスター発表のみとなってしまった。
   後半の宇宙空間の居住に関しては、まず石川氏が宇宙基地や宇宙都市などの閉鎖系社会において、好気性好熱菌の分解発酵による循環型の農業の重要性についてのべ、橋本氏は地球から送り出す探査機や資材の滅菌の重要性について発表を行った。
   プログラムは時間的にあまり急がせることもなく、急病や辞退者が多かったことが皮肉も幸いし、与えられていた時間ではこの程度の演題数が適していたように思ったが、病気欠席は不可避としても、プログラム作りが遅れたため十分な準備ができず、代わりの講演者や宇宙空間居住の話題では招待講演者が選べないなどの不手際があった点は深く反省している。にもかかわらず快く講演を引き受けてくださった平林教授ほか参加者の皆さんに感謝している。参加者が多かったこと、会場に熱気ある雰囲気が漂っていたこと、そして聴衆のいく人かが(お世辞にせよ)楽しい講演だったと云って下さったことが私にとってはこの上ない喜びであった。


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