ORIGINS OF LIFE AND TEMPERATURES OF THE EARLY EARTH

Shin Miyakawa

Department of Basic Medical Sciences, Institute of Medical Science, University of Tokyo 4-6-1 Shirokanedai, Minato-ku, Tokyo 108-8639, Japan e-mail: smiyakawa@aol.com
(Received 19 November 2003 Accepted 18 February 2004)

(Abstract)

  It remains uncertain whether life originated in a hot environment or a cold environment, although many studies have been done from several different perspectives. The theory of the hot origin of life is based on the presence of hyperthermophiles near the root of the phylogenetic tree, the discovery of unique environments for life surrounding hydrothermal vents, the greenhouse effect of a dense CO2 atmosphere, and the isotopic fluctuation of oxygen. However, bioorganic molecules are rather unstable at high temperatures. Here, I review previous studies concerning the hot and cold origins of life and re-assess which is more plausible.

(Keyword)
hot origins of life, cold origins of life, phylogenetic tree, dense CO2 atmosphere, meteoritic impacts, hydrothermal synthesis, young sun paradox, stability of bioorganic molecules, HCN polymerization, review

生命の起源と原始地球の温度

宮川  伸

東京大学医科学研究所基礎医科学部門遺伝子動態分野 〒108-8639 東京都港区白金台4-6-1

1. はじめに

 生命が高温環境下で誕生したのか低温環境下で誕生したのかは, 生命の起源における大きな問題の一つとなっている. この問題はいろいろな分野で論じられているが, 依然結論には至っていない. 分子進化系統樹の根の近くに超好熱菌が存在することや海底熱水噴出口の周りに多様な生物が生息することなどから, 近年は生命の高温起源説が主流となっているようである. しかし, 生体分子が高温で不安定であることより高温起源説に反対している研究者もいる. ここで"高温"と"低温"とはきちんとした定義に基づいたものではないが, "高温"は100℃程度以上、"低温"は常温程度以下と考えればよいであろう.  生命がどのような環境下で誕生したのかを議論するには生命がいつ誕生したのかを考えなければならない. 最古の生命の痕跡と隕石衝突の議論から, 一般に生命は38億年ほど前に誕生したと考えられている. そこで、本論文では生命は38億年ほど前に誕生したという仮定のもとに話を進める. しかし, 生命は38億年よりもっと以前に, あるいはもっと後になって誕生した可能性もあることを忘れてはならない.
 本論文では, 生命の起源と地球環境に関する今までの議論を紹介し, 生命が高温環境下で誕生したのか低温環境下で誕生したのか再検討する. 化石は過去を知る上で直接的な証拠であり, 最も重要な情報を与えるので, 2章で取り上げる. 3章「分子進化系統樹」, 4章「温室効果」, 5章「隕石衝突」, 6章「酸素同位体比」, 7章「海底熱水循環系」では高温起源説の根拠となっている事柄を紹介し, その反論や問題点を記す. 8章「暗い太陽」, 9章「生体分子の熱安定性」, 10章「HCN重合」では低温起源説を支持する事柄を示す.

2. 化石

 先カンブリア時代の化石は数が少なく保存状態もよくない. しかしそれらの化石から, シアノバクテリアがかなり古い時代から存在していたことがわかっている[1,2]. その最古のものはSchopfにより西オーストラリアで発見された35億年前のもので, 現存するOscillatoriaに形状が似ている[3]. また, 27億年前の頁岩からはシアノバクテリアからのものと思われる脂質が発見されている[4]. シアノバクテリアは光合成をする生物の中では好熱性が高く, Synechococcus lividusは74℃, Oscillatoria terebriformisは55℃で生存できることが知られている[5]. 近年, Schopfにより報告された35億年前の化石は生物由来ではない可能性が指摘され, この最古の化石に関しては現在論争中である[6,7]. しかし, 同地域からは他にも熱水環境中で生息していた微生物の化石と思われるものが多数発見され始めている[8,9]. 一方, Shenら[10]は35億年前のバライト中の硫黄同位体比を調べることから, 35億年前に常温で生息する硫酸還元菌が存在していた可能性を示唆している.
 光合成をする生物などは質量数12の炭素を質量数13の炭素より炭素固定時に優先的に取り込むので, これらの生物由来の炭素は13C/12C同位体比が無機物の炭素の13C/12C同位体比より小さくなる [11,12]. 従って, 堆積岩中の有機炭素またはグラファイト状炭素の13C/12C同位体比を測定することで生物の存在を推定することができる. この同位体比の変動はグリーンランドで採取された38億年前の堆積岩中に見られ, 生物は38億年前に既に存在していたと一般に考えられている[11-15]. しかし, 近年, これらの報告に問題がある可能性が指摘されており, 生物が38億年前に存在していたかどうか結論を出すには更なる調査が必要である [16,17].
 古くからシアノバクテリアは存在していたようである. しかし, シアノバクテリアは光合成能力を持つ既にかなり進化した細菌であり, そのことは生命がどのような環境下で誕生したのか示すものではない. 現在知られている化石から生命が高温環境下で誕生したのか低温環境下で誕生したのか結論することは難しい.

3. 分子進化系統樹

Darwinが進化論を提唱して以来, 生物の進化の過程をその形態の違いから調べることがおこなわれるようになった. しかし, 細菌は動物や植物のような特徴的な形態をあまりもっていないので, 形態の違いから細菌の進化の過程を決めることは難しかった. その後, 生物はタンパク質と遺伝子の2種類の共通の分子から構成されていることがわかり, これらの分子を用いて進化の過程を探ることがおこなわれるようになった。Woeseら[18-20]はいろいろな生物のリボソームRNA(rRNA)の塩基配列を比較することで分子進化系統樹を作製し, 生物をアーキア, バクテリア, ユーカリアの三界に分類することを提案した. この分子進化系統樹に従うと, その根に近い部分には超好熱菌が存在することがわかった(図1a). 例えば, アーキアの根の近くのPyrodictium occultumは110℃, バクテリアの根の近くのAquifex pyrophilusは95℃で生存することができる[21-23]. 更に高い温度では, アーキアのPyrolobus fumariiは113℃で生存することができる[24,25]. Pyrolobus fumariiは知られている生物の中で最も高熱性が高いとされてきたが, 最近121℃で生存できる細菌が存在することが報告された[26]. Lake[27]やPaceら[28,29]もrRNAを用いて分子進化系統樹を作製したが, 同様に根の近くに超好熱菌が位置することがわかった. また山岸らのグループは, 分子進化系統樹の根の一番深い部分に位置する共通の祖先の持っていた遺伝子の塩基配列を推測し, その塩基配列にコードされたタンパク質の耐熱性を調べた. そして, 共通の祖先はより好熱性の高い生物であった可能性を指摘している[30, 31]. これらのことより, 生命の共通の祖先は超好熱菌で, 生命が誕生した頃の地球は100℃くらいだったのではないかと考えられるようになった[27,32,33].
 しかし, 超好熱菌は既に非常に複雑な構造をしているので, 現存する生命体のrRNAから導かれる分子進化系統樹の根の近くに超好熱菌が存在することは, 必ずしも生命が高温環境下で誕生したことを意味しないであろう. Forterreら[34]は超好熱菌にとって必要不可欠と思われるリバースジャイレースがDNAヘリカーゼとDNAトポイソマラーゼから進化した可能性が高いことより, 超好熱菌が常温菌から進化した可能性を示唆している. また, Galtierら[35]はrRNA中のG-C塩基対の割合を調べることで, 最初の生物は超好熱菌ではなく, むしろ常温菌であったと結論している.近年, BrochierとPhilippe [36]はrRNAを用いてバクテリアの分子進化系統樹を作り直したが, 最も古いバクテリアは超好熱菌ではないと報告している.
生命が誕生したかもしれない38億年前頃には多くの隕石が地球に衝突していたと考えられており, この衝突により地表がしばしば高温になった可能性がある. 初めに常温菌が誕生したが, この隕石衝突による地球の高温化に伴い, 常温菌が超好熱菌に進化したかもしれない[37,38]. そして, 現在知られているrRNAをもとにして作られた分子進化系統樹は, より大きな系統樹の一つの枝にすぎないかもしれない(図1b).
 以上より, 現在までのところ, 分子進化系統樹から生命が高温環境下で誕生したのか低温環境下で誕生したのか結論づけることは難しいように思われる.

Figure 1 Phylogenetic trees. (a) Based on rRNA. The tree is modified from Stetter (1998). The bold lines indicate hyperthermophiles. The numbers indicate the maximum temperature at which microorganisms can grow. (b) A model of tree. The tree is modified from Gogarten-Boekels et al. (1995). Mesophiles might have existed prior to the root of the rRNA based pylogenetic tree and they might have been sterilized by impacts of asteroids and comets.

4. 温室効果

 「暗い太陽」の議論に基づくと, 地球は2億年前まで凍っていたことになる(8章参照). しかし原始海洋はもっと以前に存在していたはずで [39-41], 原始海洋が凍結しないように地球を温める何らかのメカニズムが存在したと考えられている. その一つとしてCO2による温室効果が考えられる. Walkerはもし原始大気が火山活動によりもたらされたもので, また安定な大陸が形成されていなければ, 原始大気中のCO2の分圧は10気圧程度であっただろうと報告している[42]. KastingとAckermanの計算によると, 10〜20気圧のCO2大気は地表の温度を85〜100℃にする[43]. そして, 大陸が形成し風化が活発になると, 海洋中にCa2+やMg2+が豊富に存在するようになり, CO2はCaCO3やMgCO3として固定化され, 大気中のCO2分圧は下がり, 地表の温度は下がっていったと考えられている[44].
 では, 生命が誕生したであろう38億年ほど前の原始大気中のCO2の分圧はどのくらいだったのであろうか. 一般に化学進化が進んでいたころの大気はCO2リッチだったと考えられていた. しかしRyeら[46]のCO2の見積りより, 大気中のCO2量は以前考えられていた量よりも少なかった可能性がでてきた. Wildeら[40]やMojzsisら[41]はジルコンの研究より, 43億年前にすでに大陸と海洋が存在していたと考えている. 43億年前にすでに大きな大陸が存在し活発な風化が起こっていたならば, 38億年前にはすでにほとんどのCO2がCa2+やMg2+により固定化されていてもおかしくない. SleepとZahnle [45]は40数億年前の地球のマントル対流は非常に活発であったことや隕石の衝突により還元的な物質が放出されていたことより, その頃のCO2の大気濃度は今まで考えられていたものよりもっと低かったと考えている. 従って, 38億年ほど前の地球大気は高濃度のCO2大気ではなく, 現在の大気組成に近い1気圧程度の窒素主体の大気であった可能性があるであろう.
 CH4やNH3も温室効果に寄与したかもしれない[47-50]. CH4とNH3の温室効果はCO2より優れているので, CO2より少ない量で地球を凍結温度以上にすることができる. しかし, 生命が誕生したであろう38億年ほど前の原始大気中にそれらの還元的なガスが多量に存在していた可能性は低いと一般に考えられている.
 火山ガスの酸化還元状態は上部マントルの酸化還元状態で決まると考えられる[51]. もし仮に上部マントルが還元的であったら, 原始大気中にCH4やNH3が存在していた可能性がある. しかし, 上部マントルはかなり早い時代から現在の酸化還元状態に近いものであったようである [52-55]. Delano [55]は古い岩石中のCrやVの含有量などを調べることから, 少なくとも36億年前, 恐らく39.6億年前のマントルは現在のものに近い酸化還元状態であっただろうと結論している. 現在の火山ガス中の炭素種はほとんどがCO2である.
 仮に火山ガス中に微量のCH4やNH3が含まれていたとしても, それらが安定した大気成分でありえた可能性は低い. CH4とNH3は光化学的に安定性が低く, 紫外線などにより容易に分解, あるいはOHラジカルなどと反応する[56]. また, NH3は非常に水に溶けやすいのですぐに海水中に溶け込んでしまったであろう. BadaとMiller [57]は原始地球の温度が25℃の場合の原始大気中のNH3分圧は7.3×10-6 atm以下であったはずだと報告している.
 現在までのところ, 38億年ほど前にどのくらいのCO2やCH4が大気中に存在したか正確なことはわかっていない. 従って, それらのガスにより地表の温度がどのくらいに保たれていたかもわからない. また, 今までの議論の多くは火山ガスに基づいたものであるが, 隕石衝突により大気成分が大きく変わった可能性も考えられる[58-60].

5. 隕石衝突

 38億年前の地球には多くの隕石が衝突しており, 仮に38億年前以前に生命が誕生したとしても,その全てが死に絶えてしまった可能性が高いと考えられている[61, 62]. Sleepら[62]は, 直径440 km速度17 km/sの小惑星の衝突は海洋をすべて蒸発させるほどのエネルギーを放出し, その時形成される数千度の高温プリュームは冷却されるのに数ヶ月かかるであろうと報告している. このように, 隕石や彗星の衝突によって原始地球は一時的に高温にさらされていたであろう. OberbeckとMancinelli [63]は, これらの衝突の効果によって地球は38億年ほど前まで100℃程度の高温に保たれていたであろうと予想している. またBadaら[64]は, 氷で覆われていた地球は隕石の衝突によって溶けたり, 再び凍ったりすることを繰り返していたであろうと予想している.
 生命の誕生と隕石の衝突には深い関係があったはずだ. 衝突が非常に激しい場合にはその効果はネガティブに働き, 生物はすべて死滅してしまったであろう. しかし, 衝突の規模が小さくなり頻度が下がってくると, その効果はポジティブに働いたかもしれない. 炭素質隕石や彗星による有機物の持ち込みや, それらの衝突エネルギーを利用した有機物の生成などが生命の誕生に大きな役割を果たした可能性がある[64-74].
 地球への隕石の衝突の規模や頻度は月のクレーターや月隕石の解析から見積もられているが, これらの見積もりは地表の正確な温度を見積もれるほど精度の高いものではない[61,62,75,76]. また, もともとの地球の温度が不確かなので, 隕石衝突により地表の温度が何度になったかもわからないはずである. もともと全球凍結していたものが溶解したかもしれないし, もともと100℃だったものが更に高温になったかもしれない.

6. 酸素同位体比

 先カンブリア時代のチャート中の酸素同位体比(18O/16O)は, 現在のものから予想される値より低いことが報告されている. その理由として, KnauthとEpstein [77]は先カンブリア時代の地球表面の温度が高かった可能性を指摘している. 堆積が起こっている場所の海水の温度が高いと, チャートの18O/16O比は周りの海水の18O/16O比に近づき, その値は低くなる. KarhuとEpstein [78]は先カンブリアン時代初期の温度は80℃近くで, その後徐々に下がっていったと考えている.
 これらの酸素同位体比からの温度の見積もりを直接生命の高温起源説に結びつけるのは少々問題があるように思われる. 先カンブリア時代の酸素同位体比のデータは数が少なく非常にばらついている. 従って, もし仮に数百万年氷河期が続いたとしても, これらの酸素同位体比のデータはそれを示すことはできないであろう. また, 現在の地球では極地と赤道直下で大きな温度差があるが, 先カンブリア時代も場所によって温度が異なっていたはずである.

7. 海底熱水循環系

 生命は海底の熱水活動を利用して誕生したかもしれない[79,80]. 海底から噴出する高温の熱水中にはマンガンや鉄イオンなど金属イオンが豊富に含まれており[81,82], これら金属イオンが触媒として作用して生体関連分子が生成した可能性がある[83]. また, 熱水中にはH2Sが豊富に含まれており, メチオニンなど硫黄を含んだ生体関連分子の生成に貢献したかもしれない[84,85].
 代謝反応の原形は海底熱水循環系で誕生したとする仮説がある. Wachtershauserは炭素固定の最初の代謝は還元的カルボン酸回路の原始型で, その時の代謝エネルギーはFeS + H2S→FeS2 + H2の発エルゴン反応から供給されたと考えた[86,87]. 還元的カルボン酸回路は硫黄古細菌などが利用しており, かなり古くから存在していた代謝回路であると考えられる[88]. また, 現存生命体は鉄ー硫黄タンパク質と呼ばれる鉄と硫黄で構成された活性中心を持つタンパク質を利用している[89]. 海底熱水噴出口には硫化鉄と硫化水素が豊富に存在することより, 原始代謝が海底熱水噴出口で誕生した可能性が指摘されている.
 FeS + H2S→FeS2 + H2の反応が熱水環境下で起こることは実験的に示されている[90]. また, この反応で発生するエネルギーを用いることで, アミド結合の形成など種々の反応が進行することが報告されている[91-93]. Codyらは硫化鉱物の存在下で一酸化炭素とアルキルチオールが反応するとピルビン酸が生成することを示した[94]. ピルビン酸は硫化鉱物の存在下でアミノ酸に, アミノ酸は硫化鉱物の存在下で重合してペプチドになることが報告されている[95,96]. これらの結果よりWachtershauser [97]はIron-Sulfur World仮説を提案している(図2). この仮説はたいへん魅力的であるが, ワンステップでCOからペプチドを生成することはまだできていない. また, 現在の熱水中にはCOよりも10000倍以上多くCO2が含まれているが[84], 出発原料にCOを用いることが妥当であるかどうかは議論する必要がある.


Figure 2 A model of hydrothermal synthesis of amino acids and peptides from carbon monoxide in the presence of iron-sulfur minerals. This diagram is modified from Wachtershauser (2000).

 Russellら[98-100]は生命は硫化鉄でできた中空の球形構造物を細胞膜のように利用して誕生したと考えている. この球形構造物は, 硫化物を含んだアルカリ性の熱水が, 鉄イオンを含んだ酸性の冷水に接することで生成する. そして, 生命にとって必要な生体関連分子は, この球形構造物の内部で生成したとRussellは考えている. この球形構造物はチムニーの化石の中から発見されており, 実験的にも合成することができる.
 松野らは海底熱水環境下でアミノ酸やヌクレオチドが重合してペプチドやオリゴヌクレオチドが生成する可能性を実験的に示している[101-104]. 彼らはフローリアクターという装置を開発した [105]. この装置は高温部と低温部の2つの部分から構成されており, 高温部で熱せられた水溶液が低温部の水中に噴出するというもので, 海底熱水噴出口から数百℃の熱水が噴出する現象を模擬している. この噴出を繰り返すことで, 8量体のグリシンや3量体のアデニル酸の生成が確認された.
 生命が誕生した頃の熱水中の炭素種はどのようなものであったであろうか. 38億年前の上部マントルは現在の酸化還元状態に近かったと考えられている[55]. 従って, 炭素は現在の火山ガスと同様に主に二酸化炭素として存在していたはずである. 現在の海底熱水噴出口から噴出する炭素種のほとんどは二酸化炭素である[84]. 現在の海底熱水噴出口からは還元性の強いメタンやアンモニアが比較的多く放出されているが, そのほとんどは生物由来のもので, 生命が誕生する以前にどれだけのメタンやアンモニアが放出されていたかはよくわかっていない. SchoonenとXu [106]はH2SとFeSの存在下でN2が無生物的にNH3に還元されることを実験的に示したが, その効率は低く生体関連分子が生成するほどではないと結論している.
 Shockは計算によりアミノ酸は200℃程度の高温下で二酸化炭素から効率よく生成すると予測している[107]. しかし, 現在までのところ海底熱水環境下で二酸化炭素から有効にアミノ酸を合成したという実験例はない. 柳川と小林はCH4, N2, NH4Clと6種類の金属イオンを含む水溶液を325℃, 20 MPaに保つことでグリシンとアラニンを合成した[83]. しかし, それらの生成率は低く, CO-N2-H2Oガスに陽子線を照射した場合に生成するアミノ酸の1/1000程度であった[59]. Hennetらは0.19M KCN, 0.23M NH4Cl, 0.18M HCHOを含む水溶液を海底熱水環境下にさらすことでアミノ酸が生成することを報告している[108]. これは昔からよく知られているストレッカー反応と呼ばれる反応が海底熱水環境下でも進むかどうかを調べたもであるが, ここで使われたような高濃度のKCNやHCHOが海底熱水環境に存在したとは考えにくい[109-111]. Marshall [112]も同様に, 例えば, 0.75M NH4HCO3, 0.75M HCHO, 17 bar O2などの混合水溶液を海底熱水環境下にさらすことでアミノ酸が合成されたと報告している. しかし, そのような状態が海底熱水環境中に存在したとは思えない.
 以上より, 現在までのところ, 海底熱水循環系でアミノ酸などの重要な生体関連分子が前生物的に生成するという確かな証拠は得られていない. むしろ大気中での放電などによる生成の方がこの点においては重要だったように思える[59]. 重合反応は海底熱水循環系で起った可能性があるが, 粘土触媒を利用した重合反応では50量体程度のタンパク質やRNAが合成されており[113,114], どちらの反応がより重要であったか考える必要があるであろう. また, 海底熱水循環系からの代謝の起源に関する仮説は未だ仮説の域を脱していない.

8. 暗い太陽

 生命が誕生した頃の太陽輝度は現在より数十%低かったと考えられている[47, 115-118]. よって, 温室効果ガスが現在より多量に存在していなければ, 2億年くらい前まで地球は凍っていた可能性が高い[47]. Badaら[64]は, もともと地球は凍結していたが, 隕石の衝突により融解し, また凍結するという凍結融解を繰り返していたと考えている.

9. 生体分子の熱安定性

 生体関連分子は高温で不安定であることより生命の高温起源説に否定的な意見がある[119-123]. 250℃, 265 atm, 中性でのアスパラギン酸, セリン, ロイシンの半減期はそれぞれ1分以下, 数分, 数十分と非常に短い [121]. より海底熱水環境に近いパイライトーパイロライトーマグネタイトバッファー存在下でも, アスパラギン酸, セリン, アラニンの安定性はバッファーがない場合とほとんど変わりなく, 非常に速く分解される [124,125]. また, アラニンペプチドのペプチド結合の半減期は中性, 250℃で数分である[119]. 100℃, pH7でのリボース[126]とシトシン[127]の半減期はそれぞれ73分と19日, 200℃, 中性でのオリゴヌクレオチドの半減期は数秒である[128].
 100〜110℃以上ではDNAはもはや遺伝子としては働かないであろう[129]. DNAは糖の2'位に水酸基がないのでホスホジエステル結合はRNAより安定であるが, その分N-グリコシド結合が不安定になり, 塩基, 特にプリン塩基が自然に欠落する. また, シトシンは脱アミノ化して容易にウラシルになる. このような欠陥は現存生命体中ではDNA修復酵素により修復されるが, 高温になるとDNAの劣化が速く, 修復が追いつかなくなる. また, 修復酵素であるタンパク質も高温では安定に存在できないであろう. 更に, DNAの二重らせん構造も高温では安定に存在できなくなる.

10. HCN重合

 シアン化水素(HCN)は宇宙の至る所に存在し, 放電などにより容易に生成し, その濃い水溶液は自然に重合してアミノ酸や核酸塩基の前駆体を形成することから, 生命の起源において重要な役割を果たしたと考えられている. そこで著者らは, シアン化水素重合がおこる条件を調べることで原始地球の温度の見積もりをおこなった.
 シアン化水素はその水溶液の濃度が高い場合は重合するが, 低い場合は加水分解が主となりギ酸とアンモニアになる. 濃度0.1〜0.01M, pH 8〜9, 温度0〜60℃で重合速度と加水分解速度は同じくらいになる[130]. そこで著者らは, いろいろな温度とpH でのHCNの加水分解速度定数を実験的に求め, 原始海洋中のHCNの平衡濃度の見積もりをおこなった[110]. HCNの生成速度として, CH4-NH3-H2-H2O大気中で火花放電によって生成するHCNの量を用いた. その結果を図3に示す. 原始海洋温度が0℃でも有効にHCNが重合しないことがわかる.
 もし, HCN重合が生命の起源において重要であったなら, 原始地球上にはHCNを濃縮する何らかの方法があったと考えられる. その一つは干潟における蒸発である. しかし, HCNは水より揮発性が高いので, この方法によりHCNが濃縮されることはない. 最も有効なHCNの濃縮方法は共晶点を利用した氷の中での濃縮である. これは, 食塩水を冷やしていくと先に水が氷となり, 食塩水はどんどん濃くなっていくのと同じ原理である. HCNの共晶温度は-21℃で, その時の濃度は78 w%である. 従って, もし原始海洋が凍っていれば高濃度のHCNが存在できたはずである. しかし, ここで問題は, このような低温の氷の中でHCNの重合が進むかどうかである. そこで著者らは, 0.1 Mのシアン化アンモニウム水溶液を27年間マイナス78℃に冷やし続けたサンプルの分析をおこなった. その結果, アデニン, グアニン, ウラシルを含む11種類のピリミジンとプリンを検出し, 氷の中でもHCNは重合して生体関連分子が生成できることがわかった[111].
 以上より, もしアミノ酸と核酸塩基の起源においてHCN重合が重要であったなら, そのころの原始地球は少なくとも一部凍結していた可能性が高い.

Figure 3 The estimated steady state concentration of HCN in the primitive ocean. [From Figure 5 on page 203 in the paper by Miyakawa, S., Cleaves, H. J. and Miller, S. L., Origins Life Evol. Biosphere 32, 195-208 (2002). Reproduced by permission from Kluwer Academic Publishers B. V.]

11. まとめ

 本論文では生命が高温環境下で誕生したのか低温環境下で誕生したのかについていろいろな視点から議論した. 分子進化系統樹, 温室効果ガス, 隕石衝突, 酸素同位体比, 海底熱水循環系の視点からは生命は高温環境下で誕生したことが示唆されるが, 別の解釈の可能性も残っており更に注意深い議論が必要である. 一方, 生体分子の安定性, 暗い太陽, シアン化水素重合の視点からは生命は低温環境下で誕生した可能性が考えられる. これら全ての事柄を考慮に入れると, 現在までのところ生命が高温環境下で誕生したか低温環境下で誕生したか結論づけることは難しいと思われる.

謝辞

 本論文を書くにあたりご助言くださいました横浜国立大学の小林憲正教授と東京薬科大学の山岸明彦助教授に深く感謝いたします.

引用文献

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